記事一覧

ファイル 125-1.jpg

M.e / 遠藤正明

   ランティス(LACA-5577)
   2006.11.29

   1.BIG MOUTH
   2.ラストドライブ
   3.GOSSIP〜お気に召すままに〜
   4.gr/reg
   5.Re:START
   6.Carry on〈『M.e.』Album ver.〉
   7.流離-SASURAI-
   8.LIMITER
   9.my beloved
   10.あいのたね
   11.Outbreak
   12.CLOWN
   13.メッセージ
   14.OH セニョーラ!〜恋のアルハムブラ宮殿〜

   All Songs(exclude-12)Sound Produced by YOHGO KOHNO
   1.6.7.8.9.Composed & Arranged by YOHGO KOHNO
   2.4.5.10.13.14.Arranged by YOHGO KOHNO
   Play on Guitar.Bass.Keyboard.Cho & Programing


M.e.

遠藤 正明 『M・e』全曲マル出し解説

−まえがき−

前作『CHAKURIKU』は言わば「アニソン玉手箱」的なコンセプトで制作されたのだが
今作はアニソンという枠を取っ払い一シンガー”遠藤正明”の今と未来を占うアルバムをと
作ろうと取りかかった。そして基本は本人の自作で!って事で…。
彼自身、多くの取材で歌詞の内容については大いに語られているだろう…。
で、遅ればせながら私が携わった楽曲のサウンド面を中心に、1曲毎に解説したいと思う。

--------------------------------------------------

M1- BIG MOUTH

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Other Inst : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

喉仏が見えるほどのパワフル・ボイスのみで始まるオープニング・ナンバー。
「BIG MOUTH」というタイトルも巧く付けたもので(笑)、この辺り彼らしい。
彼から預かっていた曲の中(スタート時4曲)でアルバム1曲目に相応しい楽曲が当初なく
この時点でリミットを考えると、本人の作品を待ってられない状況
(彼には作詞もあるからね)で私を含め、BANDのメンバーの作品をもまな板に乗せ、
吟味する事になる。
私の場合、作曲とアレンジは同時進行(アレンジも本来、作曲で…)なので、
「4曲書くから一週間下さい!」と関係者各位に打診。その分「ハズレ」は許されないのだが…。

そして、初めに取りかかった曲が”コレ”
 頭が決まらないとね!
歌詞的にもかなり煮詰まっていたので、テーマともに作り上げた。
GuitarはオープンD Tuneでのみ可能となるリフやコード感。
BackingはNocaster&56LesPaul、アコギ(J45&TACOMA-12st)。
Bassはプレベで4弦をDに下げ(Drop-D)私がよく用いるパターンでアレンジ。
Soloは鍋島氏(以下 "ナベ" )にお願いした。
ブルーノートを多様したメロディーに遠藤は苦戦(笑)しながらも彼らしさが全面に出た楽曲に仕上がった。

--------------------------------------------------

M2- ラストドライブ

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Other Inst : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

彼のデモを聞いてすぐにリフやバッキング・パターンを思いついた!
コード感やメロを少し変え、よりROCKに仕上げた!
鍵盤類は一切入っておらず、コーラスを凝り、正に生音出音勝負。
昨今、当たり前の「コピペ」を廃し、ワンコーラスごとにその趣きは違う。(よ〜く聞いてみて!)
Guitarは58&59LesPaulでBackingをダブり、Solo前のクリーンのみStratcasterを使用。
この曲のBass-Playはかなり気に入っていて、かなりドライブしており、Grooveの要となり
Mixでも大きめかも…。
Drumの透さんにも手数を押さえて頂き、その後でダビングされるであろう空間を残した。
故にライド・シンバルの音色にもかなり拘り(Bメロで多様する為)、
数枚の中からチョイス。気に入ったのがJAZZ系で好まれるモノに…。枯れた感じで存在感がある。
そしてガンちゃんのパーカッションがこ気味良い!このアルバムでの彼の功績は大きい!!! 

-------------------------------------------------

M3- GOSSIP〜お気に召すままに〜

Dr : ユウ
Bass : ヒロポン
Gt : ナベ
Organ : カワイ(以下"Endoh's Band)
J-45&TACOMA12st : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

Bandメンバーのヒロポン作曲。アレンジもほぼ彼の手によるもの。
Studioでドラム・サウンド&パターンをユウ君とかなり時間を掛けて煮詰めた!
これかなり大事。フレーズやコード等を熟考〜変更し、世界感にOKを出した後は彼等に任せた。
ヒロポン曰く「もっとディレクションして下さいよ〜」と言われたが…
私自身、第一弾の疲れがピークにあったのも事実。
彼等も若手ではないので少し甘えさせてもらいました(苦笑)!
そんな事もあるが、やはりBandだから伸び伸びやってほしいし、
自分達で作り上げた達成感を味わってもらいたかったのもある。
鍵盤のカワイ君とは、この時が初対面ながらナイスガイだった事もあり、Organ soloを授けた(笑)!
曲の最後のコードは私の十八番(古!)"B♭-♯11th"

--------------------------------------------------

M4 - gr/reg

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Other Inst & Programing : Yohgo Kohno
Mix : Tatsuya Sakamoto 

Recordingに突入してからOFF日にアレンジした。
遠藤デモのコードを全く変え(A&Bメロ)、かなり別物になったけど…
アレンジ的には本作中の一押しかも!
実は3種類のLoopから構成され、その上に生ドラムを最後にダビング。
Dataの速度を変え2種類のドラム・サウンドを録音はしたもののMix時には結局、ワンテイク目を使用した。
本作新録中では音数、コーラスも複雑に絡み合うアレンジ故に左右をハッキリさせたMixをお願いした。
GuitarはStratをBad Cat、Dream CatcherをLeslie Speakerで鳴らし6〜70年代ROCKな雰囲気にした。
そこはかとなく聞こえる間奏のスライドはMXR Phase45を通した56LP。
鍵盤系はソフトシンセ「ノスタルジア」のメロトロン・フルート、Akostick Pianoのアップライト。
パッドはKORG PE-2000。
歌唱法も熱い遠藤ではなく、あくまでも淡々と、それでいて刹那くをテーマに録った。タイトルの読み方はサビのコーラスを聞けばわかる。

--------------------------------------------------

M5- Re:START

Endoh's Band
Mix : Tatsuya Sakamoto

新曲中、唯一彼がアニソン・ファンを意識して書いたであろう(笑)曲。
Bandリズム録り初日(計3日間)を終え、Guitarのナベに「明日までにアレンジして」と急遽お願いした。
彼へのオファーは直球ストレートなBand&Guitar sound。見事成し遂げてくれた!!!
Guitarに関しては何の問題もなく、ナベにお任せ。Bassも楽器のチョイスと音色をヒロポンと決めた。
私の場合、ヘッドアレンジさえあれば後は現場で何とでも出来る術を心得ている。
ドラムの金物、Fillへの指示やテンポ。
鍵盤もありがちな奏法・音色は避けSFXや歪んだフィルター系アナログサウンドでアルペジオしたりと…。
2コーラスAメロでのコーラスは歌入れをしている時に閃いたもの。

--------------------------------------------------

M6- Carry on

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Other Inst & Programing : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh&Tatsuya Sakamoto 

いろんな形でリリースされている楽曲だが、本作でやっと私の求める曲になった!
(時間が許されればドラム以外も演奏し直したかったのだが…)
透さんにはこのアルバムで唯一好きにして頂いた…というより「もっともっと暴れて下さい」っと。
このオケを録ったのはかなり前で記憶が定かではないが、
確かGuitarはStrat-JB ModelにRotosphereでLeslie シュミレート 。
後はBackingで56&58LP。Bassはプレベ。鍵盤はピアノがNord Electro73。
後はRoland JV1080&XV5080。
今までのMixでは聞こえてこなかった「あんな音、こんなフレーズ」ご堪能あれ!

--------------------------------------------------

M7- 流離-SASURAI-

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Bass : Hiropon / Organ : Kawai
Other Inst : Yohgo Kohno
Mix : Tatsuya Sakamoto

私が高校時代から暖め、「GRAND-PRIX」でもやろうとしていた曲。
サビ前に敢えて8小節(Mid-8)の間奏を導入しドラマチックに!
勿論、遠藤仕様にチューンナップ!歌詞もグッとくるのを書いくれた。
この曲に限らず歌詞も歌入れ時に二人で試行錯誤しながら変え、メロディーがよりよく聞こえ、
歌詞も伝わる様にクォリティーアップを目指した! Outroでのカワイ君のOrgan solo。
2日間にわたり録音された(苦笑)!
当初はGuitar soloを予定していたのだが…
Sound Valley StudioのHammond&Leslieを嬉しいそうに弾く彼を見て変更。そしてハマった(笑)!
歌えるSoloが好きな私のハードルは高い(爆)!Backing Guitar&Mid-8はStrat、間奏のメロはTele。
アコギは勿論 J-45。マスタリング期日を超えての納品だった為、
この曲だけMixをチェック出来なかったのが心残りである…。

--------------------------------------------------

M8- LIMITER

Dr : Soul Toul
Other Inst & Programing: Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

本アルバムの中では異彩を放つ楽曲かつハイライト的要素もあろうかと思う。
エンジニア近藤女史のお気に入り(笑)でもある。
私も作りながら久々にワクワクした(爆)!
私は宅録Demoの時点でほぼ完成系に近く制作するのだが、この曲のGuitar Soundは正にそのモノで…。
この曲はGuitar&Bass共にDrop-Dによるもの。
BasicはPRS。リフはStrat。Studioでは58LPでLowを足した感じ。
アコピの低弦もStudioで録音。
透さんにはZeppのボンゾ風にHi-hatにタンバリンを装着してPlayして頂いた。
別録りにはない空気感を出したかったからだ!隠し味的に所々でLoopもMixされている。
シンセはXV5080。 Aメロではサブリミナル効果としてかなり低い声を足しているのがわかるだろうか?
BassもBass Pod Proでかなり歪ませたにも関わらず、Mix時にもAmp Farmでよりヘビーにした。

--------------------------------------------------

M9- my be loved

Dr : Soul Toul
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Organ : Kawai
Other Inst & Programing : Yohgo Kohno
Mix : Tatsuya Sakamoto 

Lantis井上氏より6/8バラードをとのオファーにより作曲したもの。
正に歌い上げる遠藤を目に浮かべ書き下ろした。
この手のBalladはお互いお手の物。
「結婚式でも歌えるような歌詞」にとLove Balladに仕上げた。
冒頭からFade inしてくるガンちゃんによるBellの音は出会う二人の「運命の鐘」を意味し、
Outroで聞こえるトイピアノは永遠の幸福、生まれ来る天使を予感させる音。
生ピアノを私、オルガンをカワイ君で二人同時に録音。シンセはRoland XV5080のみ使用。
Guitarは56&58LPをGroove Tubeでダブルにした。サカゲンMixも素晴らしい!

--------------------------------------------------

M10- あいのたね

Endoh's Band
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
J45 : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh
「14曲入りで行こう!」「そのうち2曲はIntermission的アプローチで」と当初から提案していながら曲を決めかねずにいた。
Bandリズム録り最終日に改めて遠藤デモを片っ端から聞き直し、ピンと引っかかったモノをPick up。
そのうちの1曲。 Studioのロビーでアコギを抱え、ヘッドアレンジ。
簡単なコード譜と進行だけを元に録音しはじめた。
ドラムもセットをバラしスネア、キック、ハットそしてシンバル1枚。
5人で出せる楽器のみでダビングは無し。イメージ通りラフながらも「いい感じ」になった!
ガンちゃんのみ後ダビングだったが、さもそこにいるかの様な存在感でGood!
ここで遠藤も張らずにサラッと歌う事(これが実に難しいのだ)により歌詞もオケも生きてくる。

--------------------------------------------------

M11- Outbreak

Endoh's Band
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
Strat : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

M3同様、ヒロポン作・編曲。
現場でサビのコードを変えさせてもらった。
作者本人は「違和感がぁ〜」と言ってましたが強行(苦笑)!
今ではこれで良かったと思ってもらえてると良いのだが…。
歌詞が難産だった。Studioで遠藤・ヒロポン・私と3人がかりであ〜でもない、こ〜でもないと…
それを遠藤がまとめ、やっと歌入れに!歌ってしまえば早いのが彼の武器!
ガンちゃんのパーカッションがこれまた素晴らしい!!!

--------------------------------------------------

M12- CLOWN
既にリリースされている作品でアルバム中一切携わってない楽曲。
末さんのアレンジも素晴らしい!

--------------------------------------------------

M13- メッセージ

Endoh's Band
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
J45 : Yohgo Kohno
Mix : Tatsuya Sakamoto

M10同様、Bandと私で一発録り。
ガンちゃんのみダビング。
アレンジの概要はあったものの、これもStudioで詰めた。
IntroのBlues Harpは仮歌時のテイクをそのまま採用(本人は「もう一回やらせて〜」と宣ってたが)。
冒頭のPianoのインプロヴィゼーション…
Sound Checkでカワイ君が何気なく弾いていたのが、もの凄く良かったのでこっそりRec!
一応、本人に承諾を得てからが…またハマった(爆)!「どうせならちゃんとやりたい」っと。
録るっという気構えが奏者を変えるし、録る側もどんどん要求が増える(苦笑)。
結果的には良いものが録れました!  
この感じ…実に良い。 BassのヒロポンのPlayも絶品のGrooveだし、歌も歌詞も良い!
そして、この仕上がりが彼の次への道しるべかと思う。

--------------------------------------------------

M14- OH セニョーラ!

Endoh's Band
Per : Yasuhiko"GANTA"Iwata
J45 & Nylon : Yohgo Kohno
Mix : Manami Kondoh

これもM10同様で、最終Pick upからの2曲目。
遠藤デモは牧歌的な曲だったのだが、思い切ってラテン系サンバにアレンジ!
カワイ君のサンバ王道パターンピアノとガンちゃんのPerが素晴らしい!
アレンジが決まった段階で影山氏に歌詞をオファー。スペインから見事な仕事をして頂いた。
私的にはアルバムトータルで考えるとこの曲はシークレット・トラックが”Cool”かなと思ったのだが…
これもまた良し。AB'sな照れ隠しって事で(爆)!

−あとがき−

ボーカリスト「遠藤正明」と組めた事を誇りに思う!
この短期間、全力疾走で駆け抜け彼等と絞り出した作品を誇りに思う!

エンジニアの近藤女史、気絶しながら頑張った! 関君もありがとう!
そして急遽参加の坂元氏、来るたび宿題を持ち帰って頂いて終わってみれば5.5曲も…
ありがとうございました!

P.S.その後…Album Tourへ強引にも参加しました(苦
笑)!それは『M.e』を正しくFANのみんなに伝えたかったから…。ただ、それだけです。
今後、携わるのかどうかは残念ながら未定です。